【2021年度版】東大航空宇宙2Aセメスターの授業メモ

学び

航空宇宙工学科に内定した2年生の皆さんおめでとうございます!2Aセメスターの授業は、3年生以降の専門科目との橋渡しをする科目が多いです。そこで今回は、東大航空宇宙の3Aセメスターの授業の感想をお伝えしようと思います。あくまで個人の感想ですし、先生の交代等もあって状況は多少変わっているので、その点はご了承ください。

航空宇宙情報システム学第一

  • 出席:なし(だったはず)
  • 成績評価:最終レポート

本題に入る前に一つご紹介です♪私の代までご担当されていた先生は、「工学と理学の違い」についてご自身のブログで分かりやすく書かれています。工学部生として、ぜひ一度読んでみてください!

授業は前半と後半に分かれていました。前半では、コンピュータの仕組みや簡単なプログラミングまで、前期教養の「情報」で色々な先生が十人十色な講義を展開して、学生間の理解がバラバラなのを、重要な点をかいつまんで整理するような授業内容でした。AIの先駆者として長年この分野に携わってきたからこその授業のように思います。後半は、「私が作ってみたいあるいは私が欲しい(世の中にまだ無い)モノあるいはコト」というテーマで、みんなと議論し、最終的に研究開発プロジェクトの提案書にまとめました。

全体を通してとてもゆる~い授業でした(笑)

〈必修〉数学及力学演習G

  • 出席:実質アリ(発表がランダムで回ってくるので、教室にいないと対応できない)
  • 成績評価:数学小テスト、力学小テスト、期末試験の3本勝負

イカツイ授業名の通り、結構重要でなおかつ重たい授業でした。およそA1タームに数学、A2タームに力学を学習します。でもやりがいのある授業なので、じっくりと時間をかけて取り組む価値はあると思います。

数学は常微分方程式を学びます。教養でも常微分方程式の授業はありますが、それよりも「問題を解く」ことを重視した内容です。教養の数学の授業は理学部数学科の教授が担当する場合が多いのに対し、この授業はもちろん航空宇宙の先生が担当するので、工学部らしい方針が貫かれています。もちろん理論的な補足は随所でなされますのでご心配なく!私のときは『工科のための常微分方程式』という誤植だらけの参考書をベースに進めました。自分が間違っているのか誤植なのか訳わからなくなってきますが、それも一種の訓練だと思って頑張りました。数学パートの最後に常微分方程の小テスト(計算力を試すドリル的なテスト)があります。

力学では、『物理学序論としての力学』という有名な参考書とプリント問題集(絶版になった本の一部スキャン)をベースに進めます。前半で学んだ常微分方程式の知識を活かしつつ、問題を解きながら学びます。高校の力学で習う抵抗のない質点の運動から始まり、粘性抵抗・慣性抵抗を含む問題、惑星などの万有引力関連の話題、剛体の並進と回転、オイラーの運動方程式、才差運動まで力学全般を勉強します。数学に比べ1問1問にかかる時間が長いので、大変だった記憶があります。力学も小テストがあります。

推進学第一

  • 出席:なし
  • 成績評価:ミニレポート+期末試験

工業熱力学 基礎編』という参考書+αの内容を学びます。前期教養の熱力学だと先生によって重点の置き方が様々ですよね。高校の熱力学で慣れ親しんできた非流動系と違い、航空宇宙では流体を扱う上で流動系の熱力学の知識が必要です。また、前期教養で習う「エントロピー」をきちんと理解できてない💦って方も多いのではないでしょうか?私はこの授業で、静止系と流動系の二項対立を意識しつつ学んだことで、両者をしっかりと区別しながら理解を深めることができたと感じています。

定常絞り過程、不可逆過程、一般関係式、サイクル計算、蒸気など航空宇宙を含めた機械系なら知っておくべき熱力学の知識をバランスよく身につけることができる授業なので、ぜひしっかり受講してみて下さい!

航空機力学第一

  • 出席:なし
  • 成績評価:レポート2~3本+期末試験

「航空宇宙に来たんだな~」という実感が湧く授業です!先生が手作りしたスライドのプリントに穴埋めしていく授業形式でした。旅客機の各部の名称・独特の単位系、航空機の歴史に始まり、航空機に関する空気力学の入門として、無次元数・2次元翼・3次元翼と学んでいきます。そして、推進装置やプロペラ、航空機の性能推算といった航空機力学の基礎を固めていきます。Janes年間から諸元を読み取る課題は印象的でした。図鑑って、飛行機好きにはたまりませんよね!?

航空宇宙工学科で学んでいく上での基礎知識が凝縮された授業で院試でも必要なので、眠気に負けず頑張ってください📣ちなみに期末試験は持ち込み可でした。

〈必修〉航空宇宙学製図第一

  • 出席:アリ(多分…)
  • 成績評価:5個の製図課題(手書き or CAD)

図面の描き方を学ぶ授業です。教科書として『新編 JIS 機械製図第 5 版』を使います。これから色々とお世話になる本です。枠や表題欄、線の書き方から始め、ボルトナット・軸受・歯車などの機械要素を描く中で、はめ合いや寸法公差、幾何公差について学びます。ボルトがなぜものを固定できるのかについての説明は、今でも印象に残っています!当時は製図室がコロナ対策で使用できなかったので、自宅作業も考えてCADも許されていましたが、対面が復活した今は手書きだけかもしれません🤔時間はかかりますが、基本的に教科書の図面を”理解しつつ写す”作業なので、重すぎることはないかなと思います。

計測通論A

  • 出席:なし
  • 成績評価:要確認(2021年度は期末にレポート2本)

千葉大の先生がご担当されていました。そもそも計測って何?から始め、センサの仕組みや裏での変換処理などを網羅的に学びます。講義スライドをひたすら説明する感じなので、自分なりにモチベを保つ方法を考える必要があります(笑)学んで損することは無いですが、航空宇宙で学ぶ上で必須かと言われると微妙です… 私の代は結局レポートでしたが、試験でも過去問がベースのようなので、比較的単位は取りやすい科目だと思います。周りに合わせて取り敢えずとってみるのもいいかと👍

残りの6科目は次ページで紹介してますので、ぜひご覧になってください♪

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